2026/06/29 16:00

転生シリーズは、変わり続けることと、変わらず残るもの、その両方への関心から生まれました。

この作品では、正藍で染めたドライウールの糸を使い、シルクで縁どりしています。
編み方は、できるだけ糸を切らず、ひと筆書きのように続いていく流れを大切にしました。

一本の糸が折り返し、重なり、また次へ進んでいく。
その動きは、終わるというより巡る感覚に近く、形を変えながら続いていく生命の流れのようにも感じています。

モチーフのもとにしたのは「隼人の盾」の紋様です。

逆S字に巡る渦は、古くから守りや循環を連想させる形として語られてきました。
私はその意味を再現したいのではなく、そのかたちが持つ動きや気配を編み目の中に残したいと思いました。

転生という言葉には、生まれ変わるという強い意味だけではなく、少しずつ変化しながら進んでいく感覚も含まれています。

昨日の自分から今日へ。
途切れずに続いているからこそ、新しくなっていく。

この小さな渦が、身につける人の日々に静かに寄り添う存在になればと思っています。

Yukihimedori | ニットクリエイターjunco