2026/06/30 08:37


このドイリーは、睡蓮の花をイメージして制作しました。

平らに置くと一枚のレースですが、紐を引くと縁がゆるやかに立ち上がり、花びらが開くような立体へと変化します。

この形の始まりは、ベルギーへの旅でした。

ブリュッセルで、ブルージュの伝統的なレース様式のひとつである、二重に重なるような構成のレースを購入しました。

繊細でありながら、平面の中に立体感があり、重なりによって花のように見えるその形に強く惹かれました。

私はそのレースの柄や素材を再現したのではなく、その時に心に残った「二重の構造」と「花が開くような印象」を、自分の技法であるかぎ針編みへ置き換えていきました。

編み進めるうちに、その形は睡蓮のようになりました。

そして紐を通し、引くことで花びらが静かに立ち上がる仕組みを加えました。

旅先で出会ったレースの記憶が、時間を経て別の素材と別の技法の中で、新しい花としてひらいた作品です。

Yukihimedori | ニットクリエイターjunco